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ギフト通販業界で18年、MD・バイヤーとして1,000社以上の食品会社様とお取引を重ね、数々のヒット商品を手がけてきました。

今は、その知見を活かし中小食品会社様のギフト事業を“売れる形”にするお手伝いをしている内田です。

今日は、「品数」を絞り込む!ECで成果を出す"選ばれる"ブランド戦略についてお伝えします。

なぜ中小企業の食品ECはうまくいかないのか?

多くの事業者が陥る最初の壁は、ECサイト運営における「競争の構造」を理解していないことです。

Amazonや楽天のような大手ECモールでは、数えきれないほどの商品が並んでいます。

これらのプラットフォームは、「安さ」「品揃え」「利便性」を強みとし、日々膨大な数の顧客を抱えています。

この土俵で、中小企業が正面から戦うのは、極めて困難です。

  • 安さで勝負する罠
    大量仕入れ・大量生産ができる大手には、価格でまず勝てません。無理な価格競争は、利益を削るだけで、事業を疲弊させてしまいます。
  • 品揃えで勝負する罠
    何千、何万という商品を揃える大手に対し、品数で対抗することは不可能です。闇雲に商品を増やしても、在庫管理の手間が増えるだけで、結局「その他大勢」の中に埋もれてしまいます。

その中で、商品のラインアップを闇雲に増やしても、結局「どの商品が主力なのか分からない」「結局どれも似ている」といった印象を与え、お客様を混乱させてしまいます。

結果、せっかくサイトを訪れても、購入には至らず、埋もれてしまうケースが多くあります。

中小企業が「商品を絞るべき」3つの核心的理由


大手と同じ土俵で戦うのではなく、中小企業だからこそできる「絞り込み戦略」が、ECで成果を出すための唯一無二の道です。

商品を絞り込むべき理由は、大きく3つあります。

(1) 限られたリソースを有効活用できる

商品数を増やせば、それに伴うすべての作業が増えます。

  • 開発: 新商品の企画・試作・テストに時間とコストがかかります。

  • 撮影: 商品写真や使用シーンの撮影、動画制作にも手間がかかります。

  • ページ制作: 商品ページのデザイン・ライティング・更新作業が膨大になります。

  • 在庫管理: 在庫数や消費期限、ロット管理が複雑になります。

  • 発送: ピッキング・梱包・配送のオペレーションが煩雑になります。

中小企業では、これらすべてをカバーできるだけの人手や予算が潤沢にあるわけではありません。

だからこそ、主力商品にリソースを集中させたほうが、品質・訴求力ともに磨きやすくなります。

限られた予算を無駄なく、最も効果的な一点に集中投下することで、その商品の魅力を最大限に引き出せるのです。

例えば、1つの商品に絞ることで、商品ページにプロによる美しい写真や、製造工程を伝える動画をふんだんに盛り込むことができます。

(2) 差別化が明確になり、「選ばれる理由」が生まれる

「なんでもあるお店」は、お客様にとって「どれも特徴がないお店」に映ってしまいます。

反対に、商品数を絞ることで、お客様に「このジャンルに強い会社だ」という印象を与えやすくなります。

  • たくさんのジャムを売っているお店
  • 「無添加・自家栽培のいちごジャムだけを売る専門店」

後者の方が、お客様は
「ここなら安心して買える」
「いちごジャムならここ」
という理由で、あなたのお店を選んでくれます。

このように、特定の商品やジャンルに特化することで、「ニッチ市場」での確固たる地位を築くことができます。

商品の背景やこだわり、用途提案を深く伝えることで、価格競争以外の「価値」で勝負する土俵を自ら作り出すことができます。

(3) ブランドやストーリーが深く伝わる

商品が少ない分、それぞれの商品の魅力を丁寧かつ深く伝えることができます。

お客様は、単に「モノ」を買うのではなく、「誰が、なぜ、どんな想いで作っているのか」というストーリーに共感して購入するケースが、特にギフト市場では多く見られます。

多くの商品を扱うと、一つひとつのストーリーが埋もれてしまいますが、絞り込むことで、

  • 生産者のインタビュー動画
  • 製造工程の紹介
  • 美味しい食べ方やアレンジレシピ
  • お客様からのリアルな声
  • 開発秘話

といったコンテンツを丁寧に作り込むことができます。これにより、お客様は商品への愛着や信頼感を持ち、あなたのブランドのファンになってくれる可能性が高まります。

「絞り込み戦略」を成功させるための実践的ステップ

では、具体的にどうすれば「絞り込み戦略」を成功させられるのでしょうか。

(1) 強みとなる「主力商品」を見極める

まずは、あなたの会社の「本当の強み」がどこにあるのかを見極めます。

  • 過去のデータ分析
    過去の売上データから、最も売れている商品、リピート率の高い商品を見つけます。

  • 顧客レビューの分析
    お客様が「何に価値を感じているか」を把握します。
    「パッケージが素敵」「味が忘れられない」「贈った相手に喜ばれた」といった声から、主力商品のヒントが見つかります。

  • 社内の情熱
    社員が「これなら自信をもっておすすめできる!」と思える、愛着のある商品を特定します。


(2) 「深く伝える」ためのコンテンツ作り

主力商品を見つけたら、あとはその魅力をとことん「深く」伝えます。

  • 商品ページを徹底的に磨き込む
    • 写真
      プロによる美しい商品写真だけでなく、食材のアップ、調理例、ギフトボックスを開ける瞬間の写真など、五感に訴えかける画像を多用します。

    • 動画
      製造工程や生産者の想いを伝える動画は、お客様の信頼と共感を深める上で非常に効果的です。

    • ライティング
      「この商品は〇〇な方に最適です」といったように、具体的なターゲットに語りかける文章で、お客様に「これは自分のための商品だ」と感じさせます。

  • SNS・ブログの活用
    商品開発の裏側や、生産者の方々の想いを伝えるコンテンツを継続的に発信します。これにより、お客様との間に「共感」という感情的なつながりが生まれます。

(3) ターゲットを明確にする

「誰にでも喜ばれるギフト」は、結局誰にも響きません。

  • 「健康を気遣う50代の女性に贈る、オーガニック素材のスイーツ」

  • 「小さなお子さんがいる家庭向けの、無添加のやさしいお菓子」

  • 「一人暮らしで料理好きの友人へ贈る、手軽に使える高級調味料セット」

このように、具体的な「贈る相手」を絞り込むことで、提供すべき商品情報や、サイトのデザイン、さらにはマーケティング戦略までが明確になり、無駄なリソースを削減できます。

「品数=正解」ではない時代

私自身、ギフト通販業界で1,000社以上の商談に立ち会ってきましたが、「品数が多い会社」が必ずしも成果を出しているとは限りません。

むしろ、売れている企業ほど、自社の強みを軸にラインアップを絞り込んでいる傾向が強く見られました。

中小企業が大手と同じ「品数競争」に挑んでも、勝つことはできません。

しかし、「この商品ならどこにも負けない」という一点を磨き上げることで、大手には真似できない、圧倒的な専門性と価値を築けるのです。

まとめ【中小ECは「広く売る」より「深く伝える」】

中小食品メーカーがECで成果を出すには、大手とは異なる「深く伝える」という視点を持つことが重要です。

  • 限られたリソースを最も効果的に使える
  • 商品の特徴やストーリーが伝わりやすくなる
  • 価格競争ではなく「価値」で選ばれる状態がつくれる

「売れていないのは品数が足りないから」と思い込む前に、まずはあなたの商品の「選ばれる形」になっているかどうか、ぜひ見直してみてください。

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今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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