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ギフト通販業界で18年、MD・バイヤー
として1,000社以上の企業様とお取引を重ね、
数々のヒット商品を手がけてきました。

今は、その知見を活かし中小食品会社様のギフト
事業を“売れる形”にするお手伝いをしている内田です。

今日は、「中小食品メーカーのギフト売上を倍増させる「買いたくなる感情」の設計図」というテーマについてお話しします。

目次

「良い商品」が「売れないギフト」になる原因

バイヤー時代、商談でお会いする多くの食品メーカーさんは、決まって「うちの商品は品質には絶対の自信があります」「価格なら他社には負けません」とおっしゃいました。

もちろん、品質と価格は商品の土台として不可欠です。しかし、残念ながら、それだけでは今の飽和した市場で「売れるギフト商品」にはなりません。

あなたがもし

  • 最高の「モノ」なのに、ギフトとして「選ばれる理由」が作れない。
  • 広告や割引といった「売り方」に頼ってしまい、ファンが定着しない。
  • 「安心・安全」「国産」といった訴求だけでは、差別化に限界を感じている。

こんな悩みを抱えているなら、原因は一つです。本当に売れる商品には、「買いたくなる理由」が明確に、かつ感情に訴えかける形で言語化されているからです。

この記事では、「どう売るか」よりも大切な、お客様の「なぜ買いたくなるのか」という感情を設計する視点と、具体的な方法をすべてお伝えします。

この記事でわかること

  • ギフト通販で売れる商品の共通点である、「買いたくなる感情」の設計図が分かります。
  • 品質や価格に頼らず、感情やストーリーで選ばれるための具体的な3ステップの実行プランが分かります。
  • 中小企業でもすぐに実践できる、商品のギフト価値を高めるためのチェックリストと、よくある疑問への回答(Q&A)で次のアクションが明確になります。


なぜ「品質・価格」だけでは選ばれないのか?消費トレンドの変化


多くの企業が品質や素材の良さにこだわるのは当然ですが、現在の市場では、それが「強み」ではなく「最低条件」になっています。お客様は、「モノ」の良し悪しよりも、「コト(体験・感情)」の価値で商品を選ぶようになっているからです。

飽和した市場と「モノよりコト」の購買行動

現在のEC市場は、情報が溢れ、お客様は24時間いつでも、無数の選択肢を持っています。この情報過多の時代において、企業側の一方的な「国産100%です」というアピールは、「ノイズ」として処理されやすくなっています。

  • 共感を呼ぶストーリー
    お客様は、企業がアピールする「商品の機能」ではなく、その商品を通して得られる「心の豊かさ」や「人との繋がり」を求めています。

  • お客様の「心の声」を理解する重要性
    お客様がオンラインで商品を探すとき、単に「ギフト」というキーワードで検索しているわけではありません。その裏には、「大切な人に、心から喜んでもらえるものを贈りたい」という強い願いや動機が隠れています。

    つまり、「なぜ、この商品があなたに必要なのか」という、感情的な理由を明確にしないと、お客様の心に響かず、見つけてすらもらえません。

「機能」ではなく「感情」を売る視点

売上が伸びないとき、「売り方(PRや割引)」に目が行きがちですが、本当に必要なのは「買わずにいられない感情的なトリガー」を設計することです。

【売れているギフトが売っているもの】

  1. 「どんな気分になれるか」
    購入後に得られる体験価値(例:家族の団らん、プチ贅沢な休憩時間)。

  2. 「あなたのための存在」
    「これは私の悩みや願いを叶えるものだ」と感じさせる、明確なターゲット設定。

「誰が、どんな気持ちで、なぜ選ぶのか」という「買いたくなる理由」を、あなたの言葉で、ストーリーとして明確に言語化する必要があります。


品質以上の「買いたくなる理由」を設計するヒント

売れている商品は、機能ではなく、感情を動かしています。具体的な事例を通じて、あなたのギフト商品の価値を見直すヒントを見つけてください。

オイシックスが届ける「家族の安心と心のゆとり」

オイシックスが売っているのは、単なる有機野菜やミールキットではありません。彼らが提示しているのは、「忙しい毎日でも、罪悪感なく、安心・安全な食事を子どもに食べさせられる未来」です。

  • 商品の機能
    有機野菜、カット済みミールキット

  • 買いたくなる理由(感情)
    「家族の健康」と「忙しい自分を許してあげられる安心感」

あなたの会社の無添加ジャムも、「国産いちご100%」と伝えるだけでなく、「添加物を気にせず、子どもの笑顔を見ながらパンを食べられる、幸せな日曜の朝」という情景を売ってみてください。

スターバックスのチルドカップが提供する「プチ贅沢なご褒美」

コンビニで手に入るスタバのチルドカップは、「自宅や職場のデスクで、手軽に”あのスタバの特別なカフェ体験”を持ち帰れる」という、プチ贅沢な気分を売っています。

  • 商品の機能:コーヒー飲料
  • 買いたくなる理由(感情)「頑張る自分へのご褒美」と「日常の中の特別な休憩時間」

あなたの高級クッキーも、「贈答用のお菓子」としてだけでなく、「リモートワークの合間に、ホッと一息、”頑張っている私を認めてあげる”特別な瞬間」を演出する商品として訴求できないでしょうか。

中小企業だからこそ武器になる「共感を呼ぶストーリー」

大手企業には真似できない、生産者の顔や開発の動機といった「企業の想い」こそが、中小企業の最大の武器です。

  • 「なぜ、この地で、この素材にこだわるのか」
  • 「この商品を開発した時の、家族を想う熱い気持ち」

これらの背景を飾らずに伝えることで、お客様の「応援したい」「この物語の一部になりたい」という感情を強く揺さぶり、価格競争に陥らないファンを生み出すことができるのです。


あなたのギフトが劇的に変わる!「買いたくなる理由」設計の3ステップ

あなたの素晴らしい商品を、「買いたくなるギフト」に変えるための、具体的な3つのステップをご紹介します。

ステップ1:ペルソナ(誰)とギフトシーン(なぜ)を徹底的に掘り下げる

まず、誰が、どんな感情で、なぜこの商品を選ぶのかを言語化します。

質問項目ターゲットに紐づく答え
誰に贈るか?(受取人)例:40代の義理のお母さん、単身赴任中の夫、食にこだわる友人
なぜ贈るか?(ギフトシーン)例:失敗したくない「初めての内祝い」、日頃の感謝を伝える「帰省時の手土産」
贈る人の悩み/願いは?例:センスが良いと思われたい、相手の健康を気遣いたい、手間をかけさせたくない
購入後の感情的メリットは?例:ホッとする安心感、罪悪感のない贅沢、相手の喜ぶ顔を見れる満足感

ポイント:「すべての人に」売ろうとしないことです。特定の「誰か」の「具体的な悩みや願い」を解決する「あなたのための存在」として商品を再定義してください。

ステップ2:商品の伝え方を「機能」から「体験価値」へ変換する

言語化した「買いたくなる理由」を元に、キャッチコピーや商品説明文を「機能」から「体験価値」へと変換します。

伝えるべきこと従来の「機能・スペック」の伝え方「体験価値・感情」の伝え方への変換例
高級佃煮伝統製法、〇〇産の素材使用、保存料不使用料理をしたくない日の、罪悪感のない手抜きを。お父さんのお酒のつまみに、とっておきの贅沢を。
ギフト包装丁寧なラッピング、手提げ袋付き「さすが〇〇さんの選んだもの!」と褒められる、品の良いデザイン。想いが伝わる手書き風メッセージが添えられます。

ポイント:贈る側・贈られる側の「感情」に語りかける言葉を選ぶこと。「どんな幸せな情景」を運んでくるのか、具体的に想像させてください。

ステップ3:ストーリーと信頼性の証拠でお客様の「安心感」を確立する

お客様に「この商品を選んで間違いない」と確信してもらうために、商品の背景にある「人となり」や「想い」、そして「確かな根拠」を公開しましょう。これにより、お客様の共感と信頼性が飛躍的に高まります。

  • 生産者の顔とストーリー
    熱い想いや苦労を正直に伝えることで、お客様の共感と信頼性を獲得します。小さな企業だからこそ持っている、地域へのこだわりや開発秘話は、大手には真似できない強力な魅力になります。

  • 客観的な証拠
    商品機能に関するデータや受賞歴、専門家の推薦など、感情的なストーリーを裏付ける客観的な証拠を添えてください。「想い」だけでなく、「確かな品質」の証明があることで、お客様は安心して購入できます。

ポイント:商品ページは、「機能・スペック」(理性的な情報)と「買いたくなる感情的なストーリー」(感性的な情報)の両方をバランス良く配置することで、お客様の心を動かし、購買へと繋がる最強のトリガーになります。

FAQ(よくある質問)と専門家からのアドバイス

ここでは、中小食品会社の方がギフト事業でよく抱く疑問に、具体的な解決策を交えながら回答します。

FAQ:よくある疑問を解消する

Q1:高品質なのに価格が高いと「ギフト」では不利ですか?

価格を下げる販促は一時的な効果しか生みません。重要なのは、「高価格であること」が、購入者・受取人にとってどんな“価値”に変わるかを伝えることです。

例えば、「一生に一度の記念日」のための贅沢、「他にはないストーリー」を贈る優越感など、高価格だからこそ提供できる「感情的価値」を明確にしてください。これにより、あなたの高級食品ギフトは、価格競争から抜け出し、差別化されます。

Q2:ギフトの「ターゲット層」を絞りすぎると、売上が下がるのでは?

A:逆です。絞ることで、競合の少ないニッチな市場でトップを取れます。

「お中元」という広いテーマよりも、「一人暮らしの母親向けの健康志向のお中元」や「コロナ禍で会えない友人へ贈る高級お菓子のギフト」のように、具体的な「ギフトシーン」と「相手のニーズ」を組み合わせた、より詳細なターゲットに訴求することが重要です。

ターゲットを絞り込むと、その層の心に響くメッセージを届けることができ、見込み客へのリーチが格段に強まります。結果として、効率的に売上を伸ばすことができます。

Q3:商品が単調でストーリーが見つかりません。どうすれば良いですか?

A:ストーリーは「商品」ではなく、「開発者」や「素材」の背景にあります。

例えシンプルな商品でも、「なぜその素材を選んだのか」「なぜその製法にこだわるのか」という、社長や職人の熱意、苦労、地域への想いを深掘りしてください。飾らない「人となり」を伝えることは、大手企業には真似できない、中小企業だけの強力な差別化要因になります。お客様は、単なる食品ではなく、あなたの想いごと購入してくれるようになります。

ギフト事業成功のためのアクションチェックリスト

あなたのギフト商品が「買いたくなる理由」を持っているか、以下の3項目でチェックしてみましょう。

項目はい/いいえ
感情的価値の明確化あなたの商品は、贈る人に「センスが良い」と思わせる満足感、または贈られる人に「ホッと一息つく」癒しを与えられますか?
ギフトシーンの言語化「初めての内祝い」「単身赴任の夫へ」といった特定のギフトシーンでの利用を具体的に想像させていますか?
信頼性の担保生産者や開発者の「顔の見える」熱い想いや、商品が生まれた背景のエピソードをECサイト上で公開していますか?


まとめ【「機能」ではなく「感情」

この記事を通じて、あなたのギフト事業が抱える課題の根本が、「品質・価格という機能」から「体験・感情という価値」への視点転換にあることが理解できたはずです。

売れる秘訣は、あなたの素晴らしい食品を、「感謝」「ねぎらい」「繋がり」といった大切な感情を伝えるためのツールとして再定義し、「買いたくなる感情」を設計することです。

この「買いたくなる理由」の設計は、一度見直せば、あなたのギフト事業の未来の成果を大きく左右します。

「私の商品で具体的にどんなストーリーが作れるんだろう?」

「今のギフト事業にどんな課題が潜んでいるのか、客観的に知りたい」

そんな風にお考えの中小食品会社の経営者の方のために、現状のギフト事業をたった3分で分析できる、【ギフト課題チェックリスト】をご用意しました。


課題が見えることで、次に取るべき戦略的な一歩が明確になります。未来の成果につなげるために、ぜひご活用ください。

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。


あなたのビジネスが成功することを
いつも応援しています。