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ギフト通販業界で18年、MD・バイヤーとして1,000社以上の食品会社様とお取引を重ね、数々のヒット商品を手がけてきました。

今は、その知見を活かし中小食品会社様のギフト事業を“売れる形”にするお手伝いをしている内田です。

「ネット通販に挑戦したが売れない」「赤字が続いて閉店した」というご相談を数多くいただきます。

なぜ、これほど多くの企業が同じように失敗して
しまうのでしょうか?

結論から言えば、原因のほとんどは 「準備不足」です。

ネット通販は「誰でも始めやすい」一方で、正しく準備を整えなければ「続けられない」「売れない」という壁にぶつかります。

本記事では、特に食品ギフト分野の中小企業がつまずきやすい3つの準備不足とその対策を、事例を交えなが
らわかりやすく解説します。

「始めやすい」は「成功しやすい」ではない

ネット通販ブームと中小食品会社の参入

ここ数年、食品メーカーや地域の特産品事業者の多くがECに参入しています。理由は明確です。

  • 実店舗に比べて初期投資が少ない
    実店舗のように高額な賃料や内装費がかからず、手軽に始められます。

  • 全国に販路を広げられる
    地理的な制約がなくなり、これまでリーチできなかった顧客に商品を届けられます。

  • コロナ禍で対面販売が制限され、オンライン需要が急増した
    社会的な変化が、オンラインへの移行を加速させました。

こうした背景から「とりあえずやってみよう」と考える企業が急増しました。

事例:ある地方の味噌メーカー

長年地元のスーパーや直売所で売れていた老舗の味噌メーカーが、コロナを機にECを開始しました。

最初は補助金でサイトを作り、数点の商品を並べましたが、半年で売上はわずか数万円。

社長は「ネットに出せば全国から注文が来ると思っていた」と振り返っています。

この事例は、「手軽に始められる」という言葉に隠された落とし穴を象徴しています。

「始めたけれど売れない」の典型的なパターン

一方で、次のような声をよく耳にします。

  • 「商品を出したのに全然売れない」
  • 「広告費だけがかさむ」
  • 「最初の数か月で撤退した」

つまり、「始めやすさ」と「成功のしやすさ」は全く別物なのです。

失敗の理由その①:「出せば売れる」と思い込む

商品を並べるだけでは誰も買わない

通販初心者が最初にやるのは「とりあえず商品を出すこと」です。

楽天市場やBASE、自社ECに商品を掲載すれば自然と売れていくと考えがちですが、現実はそう甘くありません。

今のEC市場には数えきれないほどの商品があり、ただ「ある」だけでは見つけてもらえません。

市場調査が欠けると迷子になる

失敗の背景にあるのが市場調査不足です。

  • 誰に向けた商品なのか(ターゲット)
  • どんなシーンで使うのか(利用目的)
  • 他社と比べてどう違うのか(差別化要素)

これらを曖昧なまま出してしまうと、価格競争に巻き込まれたり、全く反応が得られなかったりします。

事例:高級ジャムのメーカー

あるジャムメーカーは「とにかく高品質だから売れるはず」と強気の価格でECに出品しました。

しかし、想定していた「健康志向の30代女性」には刺さらず、実際の購入者は偶然たどり着いた50代以上が中心。

ターゲットと実際の顧客像のズレで、リピーターも育たず撤退を余儀なくされました。

この失敗の根本原因は、商品を出す前に市場を理解していなかったことです。

実践ポイント

  • キーワード調査
    実際に検索されている言葉を確認しましょう。
    人々がどんな悩みを解決しようとしているか、
    どんな商品を求めているかのヒントが見つかります。

  • 競合調査
    同じ価格帯・カテゴリーの商品を比較し、レビュー
    内容を分析しましょう。

    「何が評価されているか」「どんな不満があるか」を知ることで、自社商品の差別化ポイントが見えてきます。

  • ペルソナ設定
    「誰に」
    「どんなシーンで」
    「どんな価値を提供するか」
    を具体的に書き出しましょう。


    この作業が、今後の商品ページ作成や集客施策の軸となります。

失敗の理由その②:ページ作りを「デザインだけ」で考える

デザインは必要条件、十分条件ではない

「見た目のきれいなページを作れば売れる」と思う方は少なくありません。

確かに美しいデザインは第一印象を左右し、商品の世界観を伝えます。

しかし、それだけで売れるわけではありません。

購入を決めるのは「感情」と「納得」

お客様が購入を決める瞬間には、2つの要素があります。

  • 感情
    「美味しそう!」「贈ったら喜ばれそう!」
    「ワクワクする」といった、五感や心に訴えかける部分。

  • 納得
    「なぜこの商品が必要か」
    「他と比べてどう違うか」
    「信頼できる会社か」
    といった、論理的に理解できる部分。

この両方を満たして初めて「購入ボタン」を押してもらえるのです。

事例:スイーツ店

ある洋菓子店は、最初は「おしゃれな写真だけ」
でページを作っていました。

しかし売上は伸びず。

そこで
「開発者が試行錯誤した背景」
「お客様の声」
「原材料の安全性」
を追記したところ、ギフト需要が一気に増加。

感情を動かすポイント

  • 湯気やツヤを感じるシズル感のある写真
    食べた時の幸福感や美味しさを想像させます。

  • 開発者の想いや生産者のストーリー
    商品に物語を与えることで、お客様は感情移入しやすくなります。

  • 実際に食べた人のレビューや体験談
    第三者の声は、最も強力な「感情を動かす武器」です。

納得を与えるポイント

製造工程や企業の歴史
どれだけ真摯に商品と向き合ってきたかを伝えることで、信頼感が高まります。

原材料や栄養成分などの詳細な情報
お客様の「食の安全」への関心は非常に高いです。

他社との比較表
競合商品と比べて、何が優れているかを客観的に示しましょう。


失敗の理由その③:集客とリピートの仕組みがない

「知られていないこと」が最大の壁

リアル店舗なら通りすがりの人が目にしますが、ネットショップは「存在自体が知られていない」状態からのスタートです。

だからこそ集客とリピートの設計が必要なのです。

成功する企業は「流れ」を作っている

通販成功企業が持っているのは、以下の流れです。

  1. 知ってもらう(集客):広告、SEO、SNS
  2. 興味を持ってもらう(教育):記事、動画、レビュー
  3. 比較検討してもらう(誘導):Q&A、比較表
  4. 初回購入(転換):クーポン、送料無料施策
  5. リピート(ファン化):メルマガ、同梱物、定期便

事例:冷凍餃子メーカー

全国発送を始めた冷凍餃子メーカーは、最初は「広告だけ」に頼っていましたが赤字続き。

そこでブログ記事で
「餃子の焼き方」
「家庭で楽しむ餃子パーティーレシピ」
を発信し、さらに購入者にLINEでクーポンを配信した結果、リピート率が急上昇。1年後には広告費に頼らなくても売上が安定しました。

実践ポイント

レビュー活用
お客様の声は、新規顧客の信頼を得るだけでなく、
リピート率を高めるための重要な要素です。

SEO記事やブログ
検索からの流入を獲得し、資産となるコンテンツ

を育てましょう。

メルマガやLINE
一度購入したお客様と継続的にコミュニケーション
を取り、再購入を促しましょう。

成功する企業の共通点:「全体の流れ」を整えている


失敗する企業は「部分」だけを見ています。

  • とりあえず商品を出す
  • デザインをきれいにする
  • 広告を少し打つ

しかし成功する企業は、販売の全体像を最初に設計
しています。

  • 誰に売るのか
  • なぜ選ばれるのか
  • どう知ってもらうのか
  • どうリピートしてもらうのか

この流れを整理してからスタートしているのです。

事例:地方ハム工房

小さなハム工房は、最初に「贈答用に買う50代男性
会社員」を明確に設定。

その後、父の日やお歳暮シーズンに合わせた広告展開、
購入者への手書きカード同梱など「全体の流れ」を設計。

結果的にリピーターが半数以上を占め、安定したEC事業へ成長しました。

まとめ【準備が9割、実行が1割】

ネット通販は「全国に売れる」という魅力がある
一方で、準備不足のまま始めると時間もお金も失
いやすいビジネスです。

  • 市場調査を徹底する
    誰に、何を、どう売るかを明確にしましょう。

  • 感情と納得を満たすページを作る
    デザインだけでなく、言葉とストーリーで心を動かしましょう。

  • 集客とリピートの仕組みを整える
    単発の施策ではなく、継続的な流れを作りましょう。

これらを準備してから動き出すことが、成功の近道です。

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課題が見えることで、次の一手も明確になります。
未来の成果につなげるために、ぜひご活用ください。

今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。

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をいつも応援しています。