
「体にいいものは、味が薄くて物足りない」
「健康配慮の商品はどうしてもパッケージが地味で、贈り物には向かない」
もしあなたが、自社の減塩商品や低糖質商品に対して、お客様からそんなイメージを持たれていると感じているなら、それは非常に大きな「機会損失」をしている可能性があります。
今の時代、健康は最大の贅沢です。
かつてのように「美味しいものは体に悪い」という諦めの中でギフトを選ぶ時代は終わりました。
しかし、多くの中小食品メーカー様が、この「健康」という強力な武器を「ギフトとしての魅力」に変換しきれず、安売りや自家需要の延長線上で苦戦しています。
また、健康に関連する表現は、法規への配慮から「何をどこまで書いていいのかわからない」と二の足を踏んでしまい、結局商品の魅力が伝わりきらないという悩みもよく伺います。
私はこれまでギフト・通販業界で15年以上、バイヤー・商品企画として1,000社以上の食品会社様の商品に携わってきました。現在はその知見を活かし、中小食品会社様のギフト事業を“売れる形”にするお手伝いをしています。
そんな私が言えるのは、「健康志向」を「贅沢感」というオブラートで包み直し、法規を意識した誠実な表現に整えることができれば、御社の商品は「選ばれる理由」が明確な、高単価・高利益のギフトへと生まれ変わるということです。
今日は、減塩・低糖質といった価値を損なうことなく、贈られた人が「わあ、すごい!」と声を上げるようなプレミアムギフトへと昇華させるためのブランディング戦略を、具体的にお伝えします。

この記事でわかること
1.「健康」を売りにしながら、ギフトとしての「満足度」を最大化させる見せ方がわかります。
2.法規を意識した誠実な表現を保ちつつ、顧客が「高くても買いたい」と感じるブランディング手法が理解できます。
3.既存の健康配慮商品を、最小限のコストで「高級ギフト」へ再設計する3つのステップが身につきます。
- 1. なぜ「健康ギフト」は、そのままでは売れないのか
- 1.1. 「気遣い」が「義務感」に変わる瞬間
- 1.2. 「引き算」を「掛け算」に変える視点
- 2. 現代のギフトは「パーソナルな優しさ」を求めている
- 3. 健康志向ギフトを「贅沢品」に変える3つのブランディング・ステップ
- 3.1. ステップ1:ネーミングとコピーから「制限」の影を消す
- 3.2. ステップ2:「旨みの重層化」で味の満足度を担保する
- 3.3. ステップ3:視覚的な「非日常感」を演出する
- 4. 法規を意識した「伝え方」の工夫
- 5. FAQ(よくある質問)と専門家からのアドバイス
- 5.1. Q1:減塩や低糖質を謳うと、味が落ちるという先入観を持たれませんか?
- 5.2. Q2:パッケージにお金をかけすぎると、利益が残りません。
- 5.3. Q3:法規的なチェックはどうすればいいですか?
- 6. まとめ【健康を「贅沢な贈り物」に変える3つの視点】
- 6.1. 御社の「ギフト戦略」は、正しく設計されていますか?
なぜ「健康ギフト」は、そのままでは売れないのか
市場調査データを見ても、ウェルネス(健康・幸福)市場は右肩上がりで成長を続けています。
特に「自分や家族の健康を守りたい」という意識は、シニア層だけでなく、30代〜40代の働き盛り世代にも急速に広がっています
しかし、ギフト市場において「健康」を前面に出しすぎると、ある落とし穴にハマります。
「気遣い」が「義務感」に変わる瞬間
ギフトの本来の目的は「相手に喜んでもらうこと」です。
受け取った側が「私の健康を心配してくれているんだな」と感じる一方で、「味が薄そう」「贅沢感がなさそう」「我慢しなきゃいけない食べ物」というネガティブなイメージが先行してしまうと、それは喜びではなく「食事制限という義務」を贈ることになってしまいます。
「引き算」を「掛け算」に変える視点
・ 減塩(塩を引く) ✕ 旨みの重奏(価値を足す)
・ 低糖質(糖を引く) ✕ 厳選素材の希少性(価値を足す)
このように、何かを減らした代わりに、それ以上の「何か」を足していることを明確に伝えるブランディングが必要です。
これができていない商品は、「病院食の延長」というレッテルを貼られ、ギフトとしての単価を上げることができなくなります。
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現代のギフトは「パーソナルな優しさ」を求めている
なぜ、中小食品メーカーの健康ギフトが注目されているのでしょうか。理由は3つあります。
1 「量」より「質」へのシフト
「大きな缶詰セット」よりも、「体に優しくて本当に美味しいものが少しだけ」という需要が増えています。小規模だからこそできる、丁寧な素材選びが信頼につながります。
2 ストーリーへの共感
「なぜこの減塩が必要だったのか」「どうやって味を落とさずに糖質を下げたのか」という開発秘話が、贈り手の「あなたを大切に思い、これを選びました」というメッセージを代弁してくれるからです。
3 法規を意識した「誠実さ」への信頼
過度な効能を謳うのではなく、素材の良さや製法の工夫を真摯に伝える姿勢が、リテラシーの高い現代の消費者には「信頼できるメーカー」として映ります。
これらはすべて、小回りが利き、こだわりを形にしやすい中小メーカーにとって大きな追い風です。
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健康志向ギフトを「贅沢品」に変える3つのブランディング・ステップ

ステップ1:ネーミングとコピーから「制限」の影を消す
パッケージや商品名に躍る「減塩」「糖質オフ」といった言葉は、食品表示法に基づいた大切な情報ですが、これらがメインになりすぎると「贅沢感」が損なわれます。
改善前: 「塩分30%カット!減塩だしセット」
改善後: 「三種の枯節が織りなす、香り高き『極(きわみ)だし』 〜塩分を抑え、素材の底力を引き出した自信作〜」
このように、「制限したこと」をサブタイトルに回し、「得られる価値(香り・素材の力)」をメインに据えるのです。消費者は「我慢」を買いたいのではなく、「美味しい体験」を買いたいのです。贅沢感を演出するには、言葉の選択から「病院」や「ダイエット」を連想させるトーンを抑えることが重要です。
ステップ2:「旨みの重層化」で味の満足度を担保する
ブランディングとは、単に見栄えを良くすることではありません。期待して口に入れた時の「物足りなさ」を防ぐ必要があります。
特に減塩ギフトの場合、バイヤー時代に私が多くのメーカー様に提案したのは「旨みの掛け合わせ」です。
・ 発酵食品(味噌、麹、チーズ等)のコクを加える
・ 酸味(柑橘、酢)や香辛料(スパイス)で味の輪郭を作る
・ 燻製香などで奥行きを出す
これらのこだわりを、「お召し上がり方リーフレット」の中で「なぜ美味しいのか」という理由と共に解説してください。
論理的な説明があることで、受け取った側は「薄味」を「素材を活かした繊細な味」としてポジティブに解釈してくれるようになります。
ステップ3:視覚的な「非日常感」を演出する
健康志向の商品は、パッケージがシンプル(あるいは質素)になりがちです。しかし、ギフトとして高単価を狙うなら、見た目の「重厚感」や「華やかさ」は不可欠です。
・ 色の選択
ホワイトやパステルカラーを多用すると「清潔感=医療的」に見えることがあります。あえて深い紺色、墨色、あるいは高級感のある和紙の質感を使い、「大人の嗜み」としての健康を演出しましょう。
・ 個包装の工夫
「少しずつ、大切に食べる」という体験そのものが、贅沢感につながります。
法規を意識した「伝え方」の工夫
多くの現場で起こっている「伝え方の転換」 例えば、直接的な効果効能(例:〇〇に効く)を謳うのではなく、以下のような切り口で価値を伝えています。
・ 製法のこだわりを語る
「〇〇時間の低温熟成により、糖質を抑えつつも深いコクを実現しました」
・ 素材の背景を語る
「〇〇県産の希少な素材を使い、その持ち味を壊さないよう塩分を控えて仕上げています」
・ 食シーンを提案する
「夜遅くに楽しむ自分へのご褒美としても、重たく感じない軽やかな味わいです」
このように、事実に基づいた「製法」や「シーン」にフォーカスすることで、法的なリスクを避けながら、顧客の感性に訴えかけることが可能になります。
FAQ(よくある質問)と専門家からのアドバイス

Q1:減塩や低糖質を謳うと、味が落ちるという先入観を持たれませんか?
A: 確かにその先入観は根強いです。だからこそ、コピーでは「〇〇オフ」よりも先に「圧倒的な旨みの理由」を語る必要があります。また、ギフトを受け取った方が一番最初に目にするしおり等で、「あえてこの数値に抑えることで、素材のこの味が際立つのです」という逆転の発想を伝えると、先入観は期待感に変わります。
Q2:パッケージにお金をかけすぎると、利益が残りません。
A: 最初から特注の箱を作る必要はありません。既製品の質の良い箱に、自社で印刷したこだわりの「帯(かけ紙)」や「シール」を貼るだけでも、十分にプレミアム感は演出できます。むしろ、中身の量を適正化(小分けにする等)することで、原材料費の比率を抑え、パッケージ代を捻出しても利益が残るようなMD(商品構成)設計が可能です。
Q3:法規的なチェックはどうすればいいですか?
A: 基本的には、事実(栄養成分表示など)に基づいた表記に徹することが第一です。効果効能(〇〇が治る、予防できる等)を連想させる表現は避け、あくまで「美味しさの追求」の結果としてその数値がある、という見せ方を推奨します。不安な場合は、自治体の保健所等へ事前に相談し、客観的なアドバイスを受けるのも一つの手です。
まとめ【健康を「贅沢な贈り物」に変える3つの視点】
1 「制限」ではなく「こだわり」として再定義する。
2 旨みの設計を丁寧に語り、味への期待感を高める。
3 視覚的なプレミアム感で、贈り主のセンスを代弁する。
この3つの視点で、ぜひ一度自社の商品を見つめ直してみてください。
御社の「ギフト戦略」は、正しく設計されていますか?
「良いものを作っているのに、なぜか手元に利益が残らない……」
その原因は、現場の努力不足ではなく、「売り方の根本=ギフト戦略の設計」のどこかに、致命的な「ズレ」が生じているだけかもしれません。
今回お伝えした「制限を価値に、健康を贅沢に変える再設計」の考え方はもちろん、「価格設定は適正か?」「独自の強みを言語化できているか?」といった、ギフトビジネスを成功させるために不可欠な10個の視点。これらを客観的に判定するための「ギフト課題チェック」をご用意しました。
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未来の成果につなげるために、ぜひご活用ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あなたのギフトビジネスが着実な成果に繋がることを、心より願っています。

