
「昨年末のギフト商戦、売上はなんとか維持したが、利益がほとんど残らなかった……」
もしあなたが今、「年々、お歳暮の注文数が減っているな」「若い世代にはうちの商品は響かないのではないか」と、じりじりと迫りくる市場の変化に危機感を感じているのなら、この記事は未来を切り拓くヒントになります。
かつて食品メーカーにとって、お中元とお歳暮は黙っていても注文が入る「打ち出の小槌」でした。
しかし今、虚礼廃止やライフスタイルの変化により、その市場は確実に縮小しています。
統計データを見ても、お中元・お歳暮の市場規模は、虚礼廃止やライフスタイルの変化によって、残念ながら縮小傾向に歯止めがかかっていません。
一方で、誕生日や母の日、さらには「自分へのご褒美」といったカジュアルギフト(パーソナルギフト)市場は、フォーマル市場の落ち込みを補うようにして着実にその存在感を増し、ギフト市場は微増傾向を維持しています。
私はこれまでギフト通販業界で10年以上、バイヤーとして1,000社以上のメーカー様と向き合い、商品の「生死」を分ける瞬間を見てきました。現在はその知見を活かし、中小食品メーカー様のギフト事業を“売れる仕組み”へと再構築する伴走支援を行っています。
そんな私が断言できるのは、「お中元・お歳暮離れ」は決してピンチではなく、中小食品メーカーが大手と競わずに高利益を確保できる「最大のチャンス」であるということです。
今日は、旧来のギフト慣習から脱却し、現代のカジュアルギフト需要を掴むための「商品開発の勝ち筋」を、具体的なステップと共にお伝えします。
この記事でわかること
1 縮小する伝統的ギフト市場に代わる、成長市場「カジュアルギフト」の捉え方がわかります。
2 大手の量産品には真似できない、中小メーカーだからこそ刺さる「共感設計」の具体例が理解できます。
3 コストを抑えつつ、既存商品を現代のニーズに合わせて再定義する「商品開発のステップ」が身につきます。
- 1. なぜ「お中元・お歳暮離れ」が中小メーカーにとっての好機なのか
- 2. 顧客心理の変容
- 3. カジュアルギフトで成功する「3つの開発ポイント」
- 3.1. 「シーン」を限定し、共感を呼ぶコピーを添える
- 3.2. 「体験」をパッケージする
- 3.3. 「日持ち」と「利便性」を再設計する
- 4. 【現場の視点】既存商品を「カジュアルギフト」へ再定義する
- 5. FAQ(よくある質問)と専門家からのアドバイス
- 5.1. Q1:おしゃれなパッケージを作るには、多額の費用がかかりませんか?
- 5.2. Q2:既存の常連客(お歳暮層)が離れてしまいませんか?
- 5.3. Q3:うちの商品は「地味」なので、カジュアルギフトには向かない気がします。
- 6. まとめ【カジュアルギフト開発の3つの視点】
なぜ「お中元・お歳暮離れ」が中小メーカーにとっての好機なのか
しかし、カジュアルギフトの世界は違います。
「仲の良い友人に、ちょっと珍しくて美味しいものを贈りたい」 「いつも頑張っている自分に、贅沢な時間をプレゼントしたい」
こうしたニーズにおいて、消費者が求めているのは「誰もが知る大手ブランド」ではなく、「まだ誰も知らない、自分が見つけたストーリーのある逸品」です。これこそが、独自のこだわりを持つ中小食品メーカーが最も輝ける場所なのです。
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顧客心理の変容
なぜ、この逆転現象が起きているのでしょうか? 理由は3つあります。
1 「義務」から「コミュニケーション」への変化
かつてのギフトは「社交辞令」に近いものでしたが、今は「感謝や好意を伝える手段」へと純化しています。そのため、「形式」よりも「相手が本当に喜ぶもの」が選ばれます。
2 SNSによる「見せたい」欲求の加速
特にインスタグラムなどの普及により、「パッケージが可愛い」「箱を開けた時の驚きがある」といった、視覚的な体験価値(映え)が商品選定の重要指標になっています。
3 「個」への最適化
「家族全員で分ける大容量」よりも、「一人、あるいは夫婦で贅沢に楽しめる小分け・少量・高品質」が好まれます。
これらはすべて、小回りが利き、こだわりを形にしやすい中小メーカーにとって追い風です。
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カジュアルギフトで成功する「3つの開発ポイント」

「シーン」を限定し、共感を呼ぶコピーを添える
「お世話になった方へ」という言葉は、誰にも刺さりません。
「週末、夫婦でゆっくり楽しむための晩酌セット」
「子育てを終えた母へ贈る、家事を休めるお惣菜ギフト」
「甘いものが苦手な上司への、センスが光るおつまみ箱」
このように、贈る側が「あ、あの人にぴったりだ」と直感できるシーンを特定してください。ターゲットを絞れば絞るほど、価格は比較されにくくなり、成約率は上がります。
「体験」をパッケージする
カジュアルギフトの主役は、中身の味だけではありません。
「箱を開ける瞬間」「しおりを読んでストーリーに触れる瞬間」「お皿に盛り付ける瞬間」までをデザインしてください。
例えば、ただの商品説明ではなく、「なぜこの素材を選んだのか」「おすすめの食べ合わせ(ペアリング)」が丁寧に書かれた1枚のカードがあるだけで、その商品の価値は数倍に跳ね上がります。
「日持ち」と「利便性」を再設計する
カジュアルギフトは突然届くことが多いものです。そのため、以下の「受け取り側の負担軽減」が必須です。
冷蔵庫を占領しないサイズ感
包丁を使わずに食べられる手軽さ
焦って食べなくて済む、適切な賞味期限
【現場の視点】既存商品を「カジュアルギフト」へ再定義する
多くのメーカー様が、「カジュアルギフトに対応するには、全く新しい設備や技術が必要だ」と思い込んでいます。しかし、私が1,000社以上の商談や支援現場で見てきた現実は異なります。
実は、中身を根本から変えなくても、「用途」と「見せ方」を現代のニーズに合わせるだけで、利益率が劇的に改善するケースは珍しくありません。
多くの現場で起こっている「価値の転換」
例えば、古くからある「保存食」や「伝統食品」を扱っているメーカー様では、以下のような変化が収益の柱となっています。
かつての形(お歳暮型): 親戚一同で分けることを想定した「大容量・多品目」の詰め合わせ。重厚な箱に入れ、送料込みのセット価格で販売。バイヤーからは「他社との比較」で常に値下げを要求され、利益率は10%を切ることも。
現代の形(カジュアル型): 「一人の時間を豊かにする」「友人とのホームパーティーに持ち寄る」といった特定のシーンに特化。中身を小分けにし、現代的なデザインのパッケージに変更。食べ方のペアリング提案(例:この和食材にはこのお酒が合う等)を同梱。
なぜ、この転換で利益が上がるのか
この手法の最大のポイントは、「中身の総量を減らしつつ、体験価値を上げている」点にあります。
カジュアルギフトを求める層は、大容量であることよりも「センスの良さ」や「使い切れるサイズ」「届いた時の高揚感」を重視します。 結果として、資材に少しコストをかけたとしても、原材料費の比率を抑え、適正な利益(30%以上など)を確保した価格設定が可能になるのです。
これは決して特殊な事例ではなく、「切り方を変える」「味付けを微調整する」「ターゲットを絞り込む」という、今ある資源の再編集だけで実現できる、小規模メーカーにとって最も現実的で再現性の高い戦略です。
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FAQ(よくある質問)と専門家からのアドバイス

Q1:おしゃれなパッケージを作るには、多額の費用がかかりませんか?
A: 最初から特注の木箱や印刷済みの段ボールを作る必要はありません。既製品の質の良い箱に、自社で印刷したこだわりの「帯(かけ紙)」や「シール」を貼るだけでも、十分にプレミアム感は演出できます。まずは「テスト販売」として小ロットから始めるのが賢いやり方です。
Q2:既存の常連客(お歳暮層)が離れてしまいませんか?
A: 全てを一気に変える必要はありません。既存のラインナップは維持しつつ、「カジュアルライン」を新設すれば良いのです。むしろ、既存客が「娘の誕生日に贈りたい」と、新しい用途で買ってくれるようになるケースも多いです。
Q3:うちの商品は「地味」なので、カジュアルギフトには向かない気がします。
まとめ【カジュアルギフト開発の3つの視点】

今回お伝えした「シーンの限定」「体験の設計」「利便性の確保」という3つの視点で、ぜひ一度自社の商品を見つめ直してみてください。
「そうは言っても、うちの商品のどこをどう変えればいいのか、自分たちだけではわからない……」
もし、そう感じたのであれば、まずは現状を客観的に把握することから始めてみませんか?
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課題が見えることで、次の一手も明確になります。
未来の成果につなげるために、ぜひご活用ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
良いものを作り続けるメーカー様の努力が、正当な利益として報われる。
そんな「強いギフトビジネス」の構築を、私は全力でサポートしていきたいと考えています。
貴社のビジネスの飛躍を、心より応援しております。

