「繁忙期になると製造も出荷も限界まで追い込んでいるのに、なぜか利益が薄い……」

「贈答需要の波に飲み込まれて、従業員を疲弊させるだけの『自転車操業』から抜け出したい」

日々現場と経営の両方に目を配っている社長様なら、一度はそんなもどかしさを感じたことがあるのではないでしょうか。

せっかく良いものを作っているのに、安売り競争に巻き込まれたり、単発の注文で終わってしまったり……。もし今、自社のギフト事業が「手間ばかりかかる割に実益が少ない」と感じているなら、それはギフトの本当の強みである「ストック型収益」としての仕組みを、まだ動かしきれていないだけかもしれません。

今の時代、ギフトは単なる「季節の儀礼」ではありません。
一度「売れる形」を作ってしまえば、新しいお客様が自然と増え、高い単価で繰り返し選ばれ続ける、中小食品メーカーにとって最も頼もしい「経営の土台」になります。

私はこれまでギフト・通販業界で15年以上、バイヤー・商品企画として1,000社以上の食品会社様の商品に携わってきました。現在はその知見を活かし、中小食品会社様のギフト事業を“売れる形”にするお手伝いをしています。

私の経験上、ギフトを「その場限りの売上」ではなく、「積み上がる資産(ストック)」として設計し直すことで、10年先も揺るがない安定した収益基盤を築くことができます。

今日は、なぜギフトビジネスが安定的に売り上げをもたらすのか、そして具体的にどうすれば「儲かるストック型」に作り替えられるのかについてお話しします。

この記事でわかること

・ ギフトビジネスが「売上の波」を抑え、経営を安定させる「ストック型」になる仕組み。

・ 「忙しいのに儲からない」原因を突き止め、営業利益をしっかり残すための値決めの考え方。

・ 地方の中小メーカーが明日から着手できる、ギフトを「売れる仕組み」に変えるためのステップ。

なぜギフトで売上が安定するのか?儲かる仕組みと「経営安定」の切り札

市場には次から次へと新しい「流行り」が出てきます。でも、流行はいつか必ず終わりますよね。

中小食品メーカーが本当に目指すべきは、ブームを追うことではなく、「必要とされ続け、勝手にお客様が積み上がっていく状態」を作ることではないでしょうか。

「売って終わり」の商売から、顧客が育つ「ストック型」への転換

普段の販売(自家需要)は、お客様が「自分が食べたい」と思った時に買ってくださるもの。これは1対1のやり取りで、次も買ってもらうためにはまた広告を出したり、案内を送ったりする手間がかかります。これが「フロー(流れ去る)」型の商売です。

一方、しっかり設計されたギフトビジネスは、ちょっと面白い動きをします。

  • まず、贈り主が「これ、美味しいから食べてみて」と受取人に届ける。
  • 受け取った方がその味に感動して、今度は自分が「贈り主」になって別の人に贈る。
  • あるいは、その方が「自分でもまた食べたい」と自宅用にリピートする。

1人のお客様が、勝手に新しいお客様を連れてきてくれる。このサイクルが回り始めると、顧客リストが雪だるま式に増えていきます。これが、私がギフトを「ストック型収益」と呼ぶ最大の理由です。

広告費をかけずにお客様が増えていく「ギフト特有の広がり」

最近はネット広告の費用もどんどん上がって、新規のお客様を一人獲得するのも一苦労ですよね。でも、ギフトは「商品そのものが一番の営業マン」になってくれます。

商品が直接、ターゲット層の口に届くわけですから、これほど精度の高い宣伝はありません。私の経験の中でも、ギフトをきっかけにファンが増え、それが翌年、翌々年の安定した注文に繋がっていく光景を何度も目にしてきました。


「ギフトは手間ばかりで儲からない」という誤解の正体

社長様からよく「ギフトはのし掛けや包装が大変なわりに、利益が薄いんだよね」という本音を伺います。でも、それはギフトという商売が悪いのではなく、「利益の設計図」に少しズレが生じているだけかもしれません。

「中身の代金+箱代」だけの安売り設定になっていませんか?

よくあるのが、普段1,000円で売っている商品を3つ詰め合わせて、箱代の300円を足して3,300円で売る、という形です。これだと、のしを書いたり、丁寧に包装したり、配送の細かい管理をしたりする「人の手間(人件費)」が全く反映されません。

ギフトは、単なるモノの移動ではなく、「相手を想う気持ちを届けるお手伝い」をするサービス業のような側面があります。 ですから、単なる足し算の価格ではなく、プレミアム感やストーリーという価値を乗せて、しっかり利益を確保できる値決めをすることが、経営を安定させるための絶対条件です。

私の経験から見る「長く続く会社」が大切にしていること

10年、20年と着実に成長している会社様には共通点があります。それは、無理な安売りをせず、「自社にしかできないこと」をギフトという形に正しく設計できている点です。

「どこにでもあるものを安く」ではなく、「うちでしか作れないものを、ふさわしい価格で」。この姿勢が、結果として売上・利益の安定につながっているのを私は見てきました。


経営を安定させるストック型収益、3つの構築ポイント

では、具体的にどうすれば御社のギフト事業を「ストック型」の仕組みに作り替えられるのでしょうか。私の支援プログラムでお伝えしているのは、単なるテクニックではなく、「ギフト全体のバランスを再構築する」という視点です。

他社が真似できない「自社だけの資源」

まずは、足元にある宝探しからです。 「普通に美味しい商品」は世の中に溢れています。でも、「創業以来、この水と土にこだわってきた」とか「あえてこの非効率な製法を守っている」といった背景は、大手メーカーには真似できない御社だけの武器になります。

この「独自性の核」を言葉にし、商品に込めること。これが、価格競争から抜け出すための第一歩です。

しっかり利益を残す「価格の壁」の越え方

ギフトの売上を安定させるには、商品のラインナップ(MD)の組み方が重要です。 特におすすめしたいのが、「プレミアム商品」を一つ作ることです。

例えば1万円を超えるような、自社の技術を尽くした「松」の商品。これが看板として存在することで、ブランド全体の価値が上がり、一番のボリュームゾーンである5,000円前後の商品が、お客様にとって「お値打ち」に感じられるようになります。

また、製造現場の負担を減らすために資材を共通化するなど、利益を残すための「裏側の仕組み」も同時に整えていきます。

BtoBとBtoCを掛け合わせる賢い戦い方

自社サイト(BtoC)だけで売ろうとすると、どうしても集客に波が出がちです。 そこで、百貨店や専門店のバイヤーを通じた卸販売(BtoB)を組み合わせるのが賢いやり方です。プロの目に選ばれたという実績は信頼を生み、それが自社サイトの売上にもプラスに働きます。

「卸で売上と認知度を高め、自社サイトで利益とお客様との繋がりを深める」。この両輪が回ることで、経営の安定感はぐっと増します。


ギフトを軸に収益構造を立て直したモデルケース

ここで、ある地方メーカー様が直面しがちな課題を、どのようにギフト戦略で乗り越えていくのか、一般的な成功パターンをもとに見てみましょう。

【よくある悩み】 「地元ではそれなりに名前が知られているけれど、スーパーへの卸がメインで、常に値下げ要求が厳しい。売上はそこそこあるが、利益が残らず将来が不安……」

【改善のあらすじ】

  1. 見せ方の変更: 普段使いのパッケージとは別に、贈られた瞬間に「おっ、これは特別だ」と感じてもらえるギフト専用の装いを開発。素材のこだわりを語るリーフレットを添える。
  2. ターゲットの絞り込み: 「誰にでも」ではなく、「大切な方の健康を気遣う人」など、特定の想いに応えるセット内容を再設計。
  3. 直接繋がる仕掛け: 商品の中に、季節の便りや、スマホから簡単にリピートできる案内を同梱。

このように、「贈る理由」を丁寧に設計することで、一度の注文が次の注文を呼び、広告に頼り切らない収益の柱が育っていくのです。これは聞いた話ではなく、正しい戦略を立てた多くのメーカー様が実際に辿っている道です。


FAQ(よくある質問)と専門家からのアドバイ

Q1:うちは30人程度の規模なので、ギフトの細かい対応に人を割けません。

A: 全てを一度に変えるのは大変です。まずは、受注から出荷までの工程で「どこが一番の負担か」を洗い出し、そこを簡素化する仕組み(資材の工夫やシステムの活用)を整えることから始めましょう。無理のない範囲で高単価商品を一つ用意するだけでも、収益の質は変わり始めます。

Q2:地方なので、最新のマーケティング手法にはついていけそうにありません。

A: 難しいカタカナ用語を覚える必要はありません。ギフトの本質は、昔も今も「真心の伝達」です。その真心を、どうやって現代のお客様に届きやすい「形」に整えるか。そこさえ押さえれば、手法は後からついてきます。

Q3:15年以上経験があるとのことですが、一番大事なことは何ですか?

A: 「売り手・買い手・受け取り手」の三方が喜ぶ設計図を描くことです。どれか一つが無理をしても長続きしません。特に、メーカーである皆様(売り手)がしっかり利益を出し、継続できる仕組みを作ることが、結果としてお客様を幸せにすることに繋がります。


まとめ【ギフトを「一過性のブーム」で終わらせないために】

ギフトビジネスは、単に商品を箱に詰めて売ることではありません。 それは、御社が大切にしてきたこだわりを「価値」として認め、応援してくれるお客様との「絆」を積み上げていく、「経営の体質改善」そのものです。

  1. 自社にしかない「強み」を再定義する。
  2. 現場に負担をかけすぎず、しっかり利益が出るMDを組む。
  3. 「贈った人・もらった人」がファンになる循環を作る。

このステップを一つずつ踏んでいけば、ギフトは必ず御社の経営を支える最強の「ストック型収益」になってくれます。

御社の「ギフトビジネス」は、正しく設計されていますか?

「良いものを作っているのに、なぜか手元に利益が残らない……」

その原因は、現場の努力不足ではなく、「売り方の根本=ギフト戦略の設計」のどこかに、致命的な「ズレ」が生じているだけかもしれません。

今回お伝えしたの考え方はもちろん、「価格設定は適正か?」「独自の強みを言語化できているか?」といった、ギフトビジネスを成功させるために不可欠な10個の視点。これらを客観的に判定するための「ギフト課題チェック」をご用意しました。

3分ほどの簡単なチェックで、自社では気づきにくい「売れない原因」や「改善の糸口」を可視化できます。

回答いただいた方には、私のギフト・通販業界での現場経験に基づき作成した「個別診断レポート」と「改善ヒント付きの無料小冊子」をメールでお届けします。


課題が見えることで、次の一手も明確になります。
未来の成果につなげるために、ぜひご活用ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

あなたのギフトビジネスが着実な成果に繋がることを、心より願っています。