
お忙しい中、
ご覧いただきありがとうございます。
ギフト通販業界で18年、MD・バイヤーとして
1,000社以上の食品会社様とお取引を重ね、
数々のヒット商品を手がけてきました。
今は、その知見を活かし中小食品会社様のギフト
事業を“売れる形”にするお手伝いをしている内田です。
今日は「ネット通販で成果を出す「商品企画」の考え方」についてお伝えします。
- 1. 「モノ」ではなく「価値」を売るという発想の転換
- 2. ギフト商品の企画に不可欠な「5つの質問」
- 2.1. 質問1:誰に、どんな目的で贈られる商品なのか?
- 2.2. 質問2:なぜ、この商品が選ばれるのか?
- 2.3. 質問3:贈る人・贈られる人の両方に、どんな「感情」を届けたいか?
- 2.4. 質問4:受け取った後の「体験」まで設計できているか?
- 2.5. 質問5:その「価値」を伝えるためのコミュニケーション戦略は?
- 3. OEMを成功させるための「価値起点」の企画書
- 3.1. (1) 「誰に、何を、どうやって」を明確にする
- 3.2. (2) 依頼に含めるべき具体的な項目
- 4. 成功ブランドから学ぶ「価値起点」の商品企画
- 4.1.1. 高級チョコレートブランドのケース
- 4.1. ある産地直送のフルーツギフト
- 5. 商品企画の落とし穴とチェックポイント
- 5.1. (1) 売り手側の「こだわり」が先行してしまう
- 5.2. (2) ターゲットが広すぎて「誰にも刺さらない」商品になる
- 5.3. (3) 「売る」ことまで設計できていない
- 6. まとめ【企画の核心は「共感」と「感動」】
「モノ」ではなく「価値」を売るという発想の転換
多くの事業者が陥りがちなのが、
「良い商品さえ作れば売れる」という考え方です。
しかし、どれだけ品質の高い商品でも、それが
「誰に、どんな価値をもたらすか」が明確でなければ、
無数の商品の中に埋もれてしまいます。
購入者がお金を払うのは、商品そのものではなく、
商品を使用した結果、得られるであろう「変化」や「感情」です。
この発想の転換こそが、成功し続けるための商品企画の第一歩です。
- 単なる「チーズケーキ」ではない
贈られた人が「わぁ、素敵!」と感動する「サプライズの瞬間」を贈っている。 - 単なる「お茶漬けセット」ではない
忙しい毎日でも、簡単に贅沢な気分を味わえる「癒しの時間」を贈っている。
このように、商品を「コト」として捉えることで、企画の方向性は劇的に変わります。
ギフト商品の企画に不可欠な「5つの質問」

商品企画を始める前に、必ず自問自答してほしい5つの質問があります。
これらの質問に具体的に答えられるようになることが、成功への最短ルートです。
質問1:誰に、どんな目的で贈られる商品なのか?
「誰に」というターゲット像は、年齢や性別だけで
なく、ライフスタイル、価値観、贈るシチュエーションまで深く掘り下げます。
- ターゲット: 30代の働く女性
- 贈る相手: 遠くに住む、いつもお世話になっている母
- 目的: 日頃の感謝を伝え、温かい気持ちになってほしい
ここまで具体化することで、価格帯、パッケージデザイン、メッセージの伝え方が明確になります。
質問2:なぜ、この商品が選ばれるのか?
競合が多数存在する中で、お客様があなたのギフトを選ぶ「決定的な理由」を言語化します。
- 品質へのこだわり: 「老舗の職人が手作りする」
- 希少性: 「その土地でしか手に入らない特別な食材」
- 物語性: 「生産者の想いが詰まった商品」
この「選ばれる理由」が明確でなければ、価格競争に陥ってしまいます。
質問3:贈る人・贈られる人の両方に、どんな「感情」を届けたいか?
ギフトは、「贈る人」と「贈られる人」の二重の満足を生み出す必要があります。
- 贈る人の感情: 「これでよかった」「喜んでくれるかな」という期待感と、贈った後の「喜んでくれた!」という達成感。
- 贈られる人の感情: 「嬉しい!」「大切にされている」という喜びと、その後の「美味しい!」という感動。
この両方の感情を満たせるような商品設計が重要です。
質問4:受け取った後の「体験」まで設計できているか?
ギフトは、受け取った瞬間がゴールではありません。
開ける時のワクワク感、食べる時の感動、そして
後味まで、一連の体験全体をデザインします。
- パッケージ: 開ける時に「わぁ!」と声が出るような驚き。
- 同梱物: 商品をより楽しむためのリーフレット、生産者の手紙、美味しい食べ方ガイド。
- アフターフォロー: 食べ終わった後に「美味しかった」と伝えてもらえるような仕掛け。
質問5:その「価値」を伝えるためのコミュニケーション戦略は?
どれだけ良い商品でも、その価値が伝わらなければ意味がありません。
- 商品ページ: シズル感のある写真で「美味しそう」という感覚を刺激し、コピーで「贈る理由」に共感してもらう。
- SNS: 贈られた人が「思わず自慢したくなる」ような、写真映えするコンテンツを発信する。
- メッセージ: 贈る人が添えるメッセージカードの例文を用意するなど、ギフトの「おもてなし」をサポートする。
この5つの質問に具体的に答え、企画の軸を固めてから、次のステップに進んでください。
OEMを成功させるための「価値起点」の企画書
例えば、OEM(相手先ブランド製造)を依頼する場合
単に「こんな商品を作りたい」と伝えるだけでは売れる商品はできません。
OEM先にも「モノ」ではなく「価値」を理解してもらうことが重要です。
(1) 「誰に、何を、どうやって」を明確にする
OEM先にする依頼には、以下の3点を具体的に盛り込みます。
- 誰に(ターゲット): 「都心に住む、30代の働く女性。友人への誕生日プレゼントを探している」
- 何を(提供価値): 「日常の忙しさを忘れさせる、癒しの時間と罪悪感のない贅沢」
- どうやって(商品コンセプト): 「白砂糖不使用のフルーツゼリー。見た目も美しく、個包装で持ち運びやすい」
このように依頼すれば、OEM先はあなたの「想い」を理解し、その価値を最大限に引き出すための提案をしてくれます。
(2) 依頼に含めるべき具体的な項目
- 商品コンセプト: ターゲットにどんな価値を提供するのか、一言で表現する。
- ターゲットペルソナ: ターゲット像を具体的に、写真やライフスタイルまで含めて描く。
- 競合分析: 競合の商品と自社商品の違いを明確にする。
- 提供価値: 「安心感」「特別感」「癒し」など、提供する感情を言語化する。
- 商品仕様: 味、食感、パッケージ、価格帯など、具体的なスペックを記載する。
- 訴求ポイント: パッケージや商品説明で特に強調したいポイントをまとめる。
この依頼書は、OEM先とのブレないコミュニケーションを可能にし、企画倒れのリスクを大幅に減らします。
成功ブランドから学ぶ「価値起点」の商品企画
ここでは、多くの成功ブランドが共通して実践
している「モノ」ではなく「価値」を売るという
考え方を、事例を交えながら解説していきます。
高級チョコレートブランドのケース
- 売っているモノ: チョコレート
- 提供している価値: 「大切な人との、記憶に残る特別な時間」
- 企画の工夫
- ターゲット: 記念日やプロポーズなど、特別な日のサプライズを考えている人。
- 商品設計: 美しい木箱に入った、一つ一つがアートのようなチョコレート。開けた瞬間の驚きを演出する。
- 訴求: 「人生で一度きりの特別な瞬間に」といった感情に訴えかけるコピーを使用。
ある産地直送のフルーツギフト
- 売っているモノ: フルーツ
- 提供している価値: 「生産者の想いと、旬の美味しさを分かち合う喜び」
- 企画の工夫
- ターゲット: 健康志向が強く、本物志向のギフトを探している人。
- 商品設計: 生産者の顔が見える、収穫したばかりの新鮮なフルーツを、丁寧に梱包。
- 訴求: 「〇〇農園の〇〇さんが愛情を込めて育てました」という生産者のストーリーを同梱物に記載。
商品企画の落とし穴とチェックポイント

商品企画を進める中で、多くの事業者が陥りがちな落とし穴があります。
(1) 売り手側の「こだわり」が先行してしまう
「この製法はすごいんだ」「この食材は希少なんだ」
という売り手側のこだわりは、しばしば独りよがりになってしまいます。
企画の段階から、ターゲットとなる消費者にヒアリングを行い、「このこだわりが、あなたにとってどんな価値になりますか?」と問いかけましょう。
(2) ターゲットが広すぎて「誰にも刺さらない」商品になる
「誰にでも喜んでもらえる商品」を目指すと、結局は特徴のない平凡な商品になってしまいます。
「この商品が一番喜ばれるのは、どんな人?」と自問自答し、たった一人のお客様を具体的に想像しましょう。
(3) 「売る」ことまで設計できていない
商品企画は、商品が完成したら終わりではありません。
ターゲットに商品を届けるための流通戦略、プロモーション戦略まで含めて初めて完了します。
「この商品は、どんなメディアで、どんな言葉を使って売るのが最も効果的か?」を企画段階で考えましょう。
まとめ【企画の核心は「共感」と「感動」】
成功し続けるためのギフト商品企画の核心は、
「誰かの気持ちに深く共感し、その期待を上回る感動をデザインすること」です。
モノを売るのではなく、価値を売る。
商品を売るのではなく、体験を売る。
この発想を持って企画を進めることで、
一時的なブームに左右されない、お客様に愛され、
選ばれ続けるギフトブランドを築くことができます。
もし、今「うちの商品の強みって何だろう?」
「この企画で本当に売れるのかな?」と悩んでいるなら、まだ企画の軸が曖昧なのかもしれません。
最後に、あなたのギフト商品の「価値」を見える化
するための課題チェックリストをご用意しました。
ぜひ、この機会にあなたの企画を客観的に見直してみてください。
課題が見えることで、次の一手も明確になります。
未来の成果につなげるために、ぜひご活用ください。
今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
あなたのビジネスが成功すること
をいつも応援しています。