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ギフト通販業界で18年、MD・バイヤーとして1,000社以上の食品会社様とお取引を重ね、数々のヒット商品を手がけてきました。

今は、その知見を活かし中小食品会社様のギフト事業を“売れる形”にするお手伝いをしている内田です。

今日は、小さな食品会社が“選ばれる存在”になる方法についてお話しします。

「ブランドがあれば、もっと売れるのに」
「でも、うちみたいな小さな会社には無理かも…」

そんなふうに感じていませんか?

実は、ブランドとは特別な大企業だけのものではありません。

そして、ロゴやパッケージを一新しなくても、今ある商品を“選ばれる存在”にすることは可能です。

むしろ、顔の見える小さな食品会社の方が、本質的なブランドづくりに向いているのです。


ブランド化は「大企業だけのもの」ではない

ブランドの本質とは?

「ブランド」と聞くと、多くの人が「有名」「高価」「おしゃれなロゴ」といったイメージを抱きがちです。

しかし、ブランドの本質はもっとシンプルです。

それは── 「ああ、それなら〇〇の会社でしょ」と、お客様の頭の中にあなたの会社や商品が思い浮かぶ状態をつくること。

つまり、

  • 贈答品といえば「ここの〇〇」
  • あの味といえば「この会社の〇〇」

このように、お客様の記憶に残り、指名買いしてもらえる“選ばれる理由”がある状態こそが、ブランドなのです。

なぜ中小企業こそブランド化に向いているのか?

「ブランドは無理」と諦めてしまう中小企業は多いですが、実は、小さな会社にしかない強みがブランドづくりにおいて大きな武器になります。

  • 柔軟さと迅速さ
    大企業のように複雑な意思決定プロセスがなく、社長や担当者の想いをすぐに形にできます。

  • 顔の見える信頼性
    社長や職人の顔、製造工程などを直接伝えることで、お客様に安心感と共感を与えられます。

  • お客様との近さ
    お客様の声やレビューに耳を傾け、それをすぐに商品やサービスに反映できます。

これらはすべて、ブランドの「芯」を強くする上で欠かせない要素です。

ブランドは「見た目」ではなく「意味づけ」

「美味しい」だけでは売れない時代

まったく同じ味・同じ価格の商品が2つ並んでいたとしましょう。

一方は、地元の素材を三代続けて仕込む「物語」がある商品。 もう一方は、ただの“無名の商品”。

あなたなら、どちらをギフトに選びますか?

多くの人が前者を選ぶでしょう。

なぜなら、現代のお客様は「モノ」そのものだけでなく、それに付随する「コト(意味づけ)」を求めているからです。

味や品質に自信がある中小企業ほど、ブランドという“伝え方の設計”が必要になります。

ブランドを構成する3つの「意味づけ」要素

ストーリー

「なぜこの商品を作っているのか?」という、あなたの会社の想いを伝えましょう。

原材料の生産者のこだわり、製造過程での苦労、地元で代々受け継がれてきた歴史など、お客様が共感できる「物語」を見つけ出しましょう。

理念・哲学

あなたの会社が「何のために存在しているのか」という根本的な価値観を言語化しましょう。

例えば
「日本の伝統食を守りたい」「子どもたちに安全な食を届けたい」といった明確な理念は、お客様の信頼を深く根付かせます。

顧客体験

商品がお客様の手元に届いてから、開封し、消費し、SNSでシェアするまでのすべての過程がブランド体験です。

手書きのメッセージカード、商品の使い方を丁寧に解説したパンフレット、ギフト用の特別な包装など、お客様を「大切に思っている」ことが伝わる工夫を凝らしましょう。

今ある商品で「ブランド化」を可能にする方法

「うちの商品でブランドなんて…」と感じている方も、実はたくさんの“ブランドの芽”を持っています。
しかし、それらは多くの場合、伝えきれていないだけなのです。ブランド化は、以下の2つのステップで進めることができます。

ステップ1:ブランドの「芯」を見つける(現状把握)

まずは、あなたの会社や商品に隠された強みを見つけ出すことから始めます。

  • 自問自答
    • なぜこの商品を作ろうと思ったのか?」
    • 「この商品の最大のこだわりは何か?」
    • 「お客様から一番褒められる点はどこか?」


  • 既存顧客に聞く
    • レビューやアンケートで、お客様が「なぜこの商品を選んだか」を直接尋ねてみましょう。
    • 思いがけない「選ばれる理由」が見つかることがあります。

ステップ2:ブランドの「形」を整える(伝え方の設計)

見つけ出した「芯」を、お客様に伝わるように形にします。

言語化
ブランドの理念やコンセプト、キャッチコピーを明確にしましょう。商品ページや広告文のメッセージに一貫性を持たせます。

視覚化
商品のストーリーが伝わるような写真(生産者の顔、製造風景など)を用意しましょう。パッケージやギフトボックスなど、商品の世界観を表現するデザインを取り入れます。

体験化
商品に手書きのメッセージカードや、商品の使い方・レシピを記載した小冊子を同梱するなど、お客様の期待を超える体験を提供しましょう。

ブランド化がもたらす4つの具体的なメリット

ブランド化は単に売上を増やすだけでなく、あなたのビジネスに長期的なメリットをもたらします。

(1) 価格競争から脱却できる

「意味づけ」された商品は、価格以外の価値で選ばれるようになります。

これにより、不毛な価格競争から抜け出し、安定した利益を確保できます。

(2) 指名買いが増え、リピート率が向上する

お客様の記憶に深く残り、「あれが欲しい」と指名買いされるようになります。一度購入したお客様がファンとなり、リピーターになる確率も高まります。

(3) 新規取引先の開拓がスムーズになる

取引先に対して、自社の魅力を明確に伝えられるようになります。

「この商品はこういう価値がある」と一言で説明できるため、商談が有利に進みます。

(4) 採用活動にも好影響を与える

会社の理念や哲学に共感する人材が集まりやすくなります。

これにより、企業文化が強化され、長期的な成長につながります。

よくある失敗例と注意点

ブランドづくりを成功させるためには、以下の点に注意が必要です。

  • 理想の顧客を描きすぎる
    • 実際には存在しない「完璧な顧客像」を描いても意味がありません。データに基づき、現実的なペルソナを設定しましょう。

  • 一貫性がない
    • 商品のコンセプトと、パッケージ、広告、顧客対応に一貫性がないと、ブランドの信頼性が揺らいでしまいます。

  • ブランドの放置
    • ブランドは、一度作ったら終わりではありません。市場や顧客の変化に合わせて、常に磨き続け、育てていく必要があります。

まとめ

ブランド化は「特別なこと」ではなく、小さな食品会社が生き残り、成長するための必須戦略です。

ブランドの芯(自社の強み)を見つけ、ブランドの形(伝え方)を整える

これだけで、あなたの商品は“選ばれる存在”に生まれ変わることができます。

もし、今「うちのどこがズレているのかわからない」「何から手をつければいいのか…」と感じているなら、まずは一度立ち止まって、現状を見える化することから始めましょう。

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今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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