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ギフト通販業界で18年、MD・バイヤーとして1,000社以上の企業様とお取引を重ね、数々のヒット商品を手がけてきました。

今は、その知見を活かし食品メーカー様のギフト事業を“売れる形”にするお手伝いをしている内田です。

今日は、リブランディングで成功する5つのポイントについてお話しします。

目次

「価格競争の泥沼」に沈んでいませんか?

「昔は人気だったのに、最近は売上が伸びない...」「競合他社との差別化が見えなくなり、値引き合戦に巻き込まれている」「時代が変わって、顧客が自社の商品に何を求めているのかわからなくなった」

このような焦りや危機感を抱いていませんんか?

かつては「高品質」や「老舗」というだけで通用した強みも、情報過多の現代ではあっという間に埋もれてしまいます。多くの企業が、見た目やパッケージだけを変える「表面的なリニューアル」で終わってしまい、時間とコストを浪費しています。

その結果、「リブランディングに失敗した...」と、さらなるブランド疲弊を招くケースが後を絶ちません。

単なる「デザイン変更」では売上は伸びない

リブランディングとは、単にロゴやパッケージを変えることではありません。それは、既存のブランドイメージや価値を根底から見直し、より時代や顧客ニーズに合わせた新たなブランドを築き、企業の将来的な成長基盤を再構築する、全社的な経営戦略そのものです。

私が長年、ギフト通販の現場で見てきた成功事例の共通点は、「ブランドの核(存在意義)」を再定義し、それを「顧客の新しい価値観」に合わせて一貫性をもって伝えていることです。

この記事でわかること

  1. 「リブランディングの目的」を明確にし、単なるコストで終わらせないための経営視点を身につけられます。

  2. 成功事例と失敗事例から学び、自社のブランドを「高価格でも選ばれる資産」に変えるための5つの具体的な戦略的ポイントがわかります。

  3. 社内の合意形成や投資対効果(ROI)の測定といった、リブランディングを成功に導くための内部的な重要課題とその解決策を把握できます。


なぜ今、リブランディングが必須なのか

時代の変化と「コモディティ化」の進行

食品市場において、コモディティ化(一般化)は加速しています。これは、どのメーカーの製品も品質や機能が均質化し、「価格」以外に差別化要因がなくなる現象です。

特に中小企業が直面する課題

  • 流通・販路の多様化
    ECモールやSNSの普及により、消費者は世界中のあらゆる商品と自社商品を簡単に比較できるようになりました。結果、「どこでも買えるなら、安い方が良い」という心理が働きやすくなります。

  • 価値観の二極化
    現在の消費者は、「タイパ(タイムパフォーマンス)」や「ウェルビーイング(心身の健康)」、そして「エシカル消費(倫理的な消費)」といった、「価格以外の軸」で商品を選び始めています。従来の「安くて美味しい」だけでは、この新しいニーズに対応できません。

リブランディングが中途半端に終わる企業は、この「新しい価値観」への対応を怠り、「ロゴを少し変える」といった表面的な改善で満足してしまいます。

リブランディングの失敗要因:「目的の曖昧さ」と「内部の乖離」

リブランディングが失敗する企業に共通しているのは、「何のために変えるのか」という目的が曖昧な点です。

失敗パターン実態とリスク
デザイン偏重型顧客インサイトを無視し、経営者の好みやデザイナーの独断でロゴやパッケージだけを変更。既存顧客の愛着を損ない、信頼性を失う。
理念の形骸化型新しいブランドビジョンを策定しても、それが現場の社員に行動レベルで浸透していないため、顧客へのメッセージが一貫せず、ブランドが機能しない。
戦略と実行の分断型外部のコンサルタントに丸投げし、戦略は立派だが、具体的な商品開発やマーケティング施策に落とし込めていない。


リブランディングは「変えること自体」が目的ではありません。「企業がなぜ存在し、誰にどんな価値を提供し続けるのか」を再定義し、それを社内と社外に一貫して実行する体制を築くことが、成功の鍵となります。


リブランディングで成功する5つの戦略的ポイント

リブランディングを成功させ、ブランドを「高収益を生む資産」に変えるためには、以下の5つの戦略的ポイントを、順番に、かつ一貫性をもって実行する必要があります。

ポイント1:【核の再定義】ブランドの「Why(なぜ)」を深掘りする

リブランディングの最初にして最も重要なステップは、「自社が何のために存在するのか」というブランドの存在意義(パーパス)と提供価値(Why)を明確にすることです。

自社の「原点」と「未来」をつなぐ

  1. 「歴史の棚卸し」
    創業時の想い、最も感謝された顧客の声、なぜその商品が生まれたのか、といった「原点」を掘り起こします。強みは過去の成功事例の中にあります。

  2. 新しい市場の定義(ポジショニング)
    • 競合他社が提供していない、自社独自の「強み」を見つけます。
    • その強みが、時代の新しい顧客ニーズ(健康志向、環境配慮、時短など)とどう結びつくかを定義します。


      例: 明治「R1」が「美味しいヨーグルト」から「免疫機能に特化したヘルスケアブランド」へポジショニングを再構築したように、「競合が真似できない明確な存在理由」を確立します。

ポイント2:【市場の再設定】ターゲット層を「ライフスタイル」から見直す

従来の「年齢・性別」といったデモグラフィック情報だけでなく、「価値観」「ライフスタイル」「購買の背景」といった顧客インサイトに基づいてターゲットを再設定します。

潜在的なニーズの掘り起こし

  1. 顧客インサイトの把握
    • 「朝食の準備が面倒だが、栄養価は落としたくない」
    • 「体に良いものを摂りたいが、手間はかけたくない」
    • 「環境に配慮した商品を選びたいが、高すぎるのは困る」

      このように、顧客が抱える具体的な悩みを深掘りします。
  2. 新しい市場開拓
    • 事例: 日清食品「完全メシ」が、単なるカップ麺ユーザーではなく、「手軽さと栄養バランスの両立を求める働く世代」という、新しいニーズを抱えた層にターゲットを拡張したように、ブランドの枠を壊して新しい市場を開拓します。
  3. ギフト事業への適用
    • 例えば、「母の日ギフト」を単なる贈り物ではなく、「健康を気遣う気持ちを伝えるための、罪悪感のないスイーツ」として再定義するなど、贈る目的の深掘りを行います。

ポイント3:【社内の統一】ブランドを「組織の文化」として浸透させる

リブランディングの最大の失敗要因の一つは、「社員が新しいブランドを理解・体現できていない」ことです。ブランドは、ロゴではなく、「社員一人ひとりの行動」によって顧客に伝わります。

インターナル・ブランディングの徹底

  1. ビジョンの「行動基準化」
    策定したブランドビジョンを、「現場でどう行動するか」という具体的なマニュアルや評価基準に落とし込みます。(例:「当社のブランドは『安心』です』→『お客様からの問い合わせには3時間以内に、専門知識を持った担当者が必ず返答する』

  2. 「なぜ変えるか」の共有
    社員に対し、新しいブランドが「なぜ、会社や社員自身にとって必要なのか」を経営層が直接、繰り返し説明します。社員がブランドの「伝道師」となる意識を持たなければ、外部へのメッセージは必ずブレます。

  3. 「共創」の仕組み
    リブランディングの過程に、若手社員や現場の声を積極的に取り入れ、「自分たちが創り上げたブランドだ」という当事者意識(エンゲージメント)を醸成します。

ポイント4:【ストーリーテリング】「語れる理由」で感情的な共感を呼ぶ

コモディティ化された市場で高価格帯を維持するには、「機能的価値(味、品質)」だけでなく、「感情的価値(ストーリー、共感)」が必要です。

情緒的なつながりの構築

  1. 商品の背景を資産化
    • 事例: 味の素が「化学調味料」から「日本発の第5の味=うま味」という文化的な価値に再定義したように、商品の原材料や製法、創業者の想いといった背景を掘り起こし、情緒的な物語として語ります。
  2. 「第三者の視点」の活用
    • 農家や漁師といった「作り手の顔」、「地域との関わり」、「環境への配慮」など、社会的な文脈を取り入れたストーリーを構築し、「この商品を買うことが、社会貢献につながる」という倫理的な共感(エシカル消費)を呼び起こします。
  3. 五感に訴える表現
    ウェブサイトやパッケージにおいて、単に情報を羅列するのではなく、「手触り」「色使い」「香りの表現」など、ブランドの世界観を五感で感じられるように統一します。

ポイント5:【長期的なROI】効果測定と改善のサイクルを回す

リブランディングは、すぐに売上として現れるものではありません。長期的な投資対効果(ROI:Return On Investment)の視点で、測定と改善のサイクルを回すことが不可欠です。

測定可能な目標(KPI)の設定

  1. ROIの測定指標の設定:リブランディングの成功は、短期的な売上だけでなく、以下のような長期的指標(KPI)で測定します。
    • ブランド認知度
      ターゲット層におけるブランド名の認知率やイメージの変化。

    • 顧客ロイヤルティ(NPS)
      顧客がブランドを他者に勧める度合い。
    • 従業員エンゲージメント:
      新しいブランドビジョンに対する社員の共感度と行動への反映。
    • 採用応募者数
      企業の魅力向上による応募者数の増加(事例:あるIT企業では、ブランド強化により新卒・中途応募者数が前年比約1.7倍に増加)。

  2. 測定と修正:リブランディング後も、顧客アンケートやウェブサイトのデータ(滞在時間、回遊率など)を継続的に分析し、「顧客が新しいブランドを正しく受け取っているか」を確認します。ズレが生じていれば、メッセージや施策をすぐに修正するPDCAサイクルを回します。


リブランディングで避けるべき注意点と乗り越えるべき壁

リブランディングで失敗する3つの典型的な落とし穴

失敗の落とし穴具体的なリスク成功のための対策
既存顧客の無視長年ブランドを支えてきた既存顧客が「自分の知っているブランドが変わってしまった」と感じ、離反する。リブランディングの「継承した部分」と「変えた部分」を明確にし、既存顧客には変更理由を丁寧に説明する。
デザイナー任せブランドの核やターゲット設定といった「戦略」を欠いたまま、「デザイン」を最優先してしまう。戦略策定に8割、デザインに2割の労力を割く。デザインは戦略を体現する「手段」であると認識する。
短期的な評価半年で売上が伸びないからと諦め、すぐに次の施策に手を出す。投資対効果(ROI)の測定期間が短すぎる。ブランドの浸透には最低2~3年かかると認識し、長期的なKPI(顧客ロイヤルティなど)で評価する


リブランディングは「企業文化」を変えるチャンス

リブランディングは、「古くなった企業文化や慣習」を変える絶好のチャンスです。特に中小企業では、「昔ながらのやり方」が社内に停滞感を生んでいることがあります。

新しいブランドビジョンを掲げ、社員の行動基準に落とし込む過程で、「会社の未来は自分たちが作る」というポジティブな企業文化を築き、結果的に優秀な人材の獲得や離職率の低下といった、目に見えない大きなリターンを得ることができます。


まとめ【「リブランディング」は未来への戦略的投資である】

食品メーカーが激しい価格競争から脱却し、持続的な成長を遂げるためには、リブランディングは避けて通れない戦略です。それは単なる見た目の変更ではなく、ブランドの「Why(存在意義)」を再定義し、新しい時代と顧客ニーズに合わせて、社内文化ごと変革することです。

今回のポイント

  • リブランディングは、コモディティ化と顧客価値観の二極化に対応するための必須の経営戦略。
  • 成功の鍵は、「核の再定義」「市場の再設定」「社内の統一」「ストーリーテリング」「長期的なROI測定」の5つのポイントを一貫して実行すること。
  • 失敗の原因は、「目的の曖昧さ」と「既存顧客や社内の声の無視」にある。
  • リブランディングは、顧客ロイヤルティや採用力といった長期的な無形資産を築くための戦略的投資。

次の成功に向けたアクション

リブランディングの成功は、自社のブランドの強みと、向き合うべき課題を客観的に把握することから始まります。

もし、あなたの会社がリブランディングやギフト事業の伸び悩みに課題を感じていらっしゃるなら、現状を客観的に把握できる無料チェックリストをご用意しました。

課題が見えることで、次の一手も明確になります。
未来の成果につなげるために、ぜひご活用ください。



今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。

あなたのビジネスが成功すること

をいつも応援しています。